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水を飲んで認知症改善⁉水を飲むのもリハビリ。訪問リハビリでも実践

水を摂取するメリット

 

「身体の体重の60%は水分でできている」

 

私たちの身体には、たくさんの水分が含まれていて、成人男性で体重の60%、新生児で約80%が「体液」とよばれる水分でできています。つまり、体重60kgの成人男性ならば、約36リットルもの水分を体内に蓄えていることになります。人間は水でできているといってもよい。

 

 

「高齢になると水分量が減る?」

 

一般的に高齢者の身体の水分量は、若い頃に比べると約10%減り、約50%だといわれています。 認知症の方は自己の気づきも低下しており、水分摂取をした時間も忘れがち。いつ、どこで、どれくらいの量の水分を摂取したか把握しづらい状況にあります。また、高齢になると尿意が近くなるからと言って水分摂取を控える傾向にあります。

 

 

「口渇中枢の減退」

 

加齢とともに喉の渇きを感じる「口渇中枢」が減退するため、実際には水分が必要な状態であっても喉の渇きが感じにくくなります。認知症の方に限らず、ほとんどの高齢者の方は水分不足に陥っていると言えます。

 

 

「なぜ水が大事なのか?水分「体液」の役割」

 

とった水分は、腸から吸収され、血液などの「体液」になって全身をたえず循環しています。体液は、私たちの生命に関わる様々な役割を果たしています。それは、酸素や栄養分を細胞に届け、老廃物(体内のゴミ)を尿として排泄することです。そして体温が上がったときには、皮膚への血液の循環を増やし、汗を出して熱を逃がし、体温を一定に保ちます。水分不足は発熱につながる恐れもあり、筋肉組織も水分が十分に蓄えられていると力が発揮しやすくパフォーマンスの向上も期待できます。

 

 「脳細胞と水分のバランスが崩れると認知症を引き起こす」

 

 脳の70~80%は水分でできています。

水の中に脳細胞が浮いていると想像してください。そうすることで脳細胞の形成維持を保っているのです。脳細胞にとっては水は重要であるという報告はたくさんあります。水分が不足すると認知機能の土台である意識が低下してしまいます。意識が低下することで認知機能が低下する=記憶障害、遂行障害が出ると言ってもおかしくありません。この状態が続くと認知症のリスクは高まり生活障害につながってしまいます。水を積極的に摂ることで脳の脱水を予防して意識も認知機能も活性化をすれば認知症上は改善に向かうと考えられます。

 

「水を摂取する10個のメリット」

 

²メリット①:ドロドロ血液を解消
⇒血液の水分不足によるドロドロを解消し、脂質を排出して血流をよくします。

 

²メリット②:生活習慣病の改善
⇒体内水の循環で、糖の代謝や塩分の排出を促し、糖尿病や高血圧を改善します。

 

²メリット③:ボケ防止と脳の活性化
⇒脳内の細い血管の血流を促し、脳細胞に栄養素や酸素を届けることで、

脳を活性化させ、認知機能を高めます。

 

²メリット④:胃腸の働きが活性化
⇒体内水の循環により、各臓器の機能ならびに消化機能が向上し、

胃腸の調子が改善します。

 

²メリット⑤:疲れやストレスの解消
⇒自律神経の乱れと、水分の滞りは深く関係しています。
 体内水の流れを良くすることで、自律神経のバランスが整えられ、
 精神的ストレスが緩和されます。
 同時に栄養素が体の各部に運ばれるため、肉体的疲労も解消します。

 

²メリット⑥:冷えの防止
⇒自律神経は血管の収縮や拡張を司ります。
 体内水の循環が良くなると、自律神経のアンバランスが解消され、
 血管が拡張して温かい血液が体の末端まで運ばれます。

 

²メリット⑦:肥満の改善
⇒体内水の量や流れが改善することで、細胞が活性化し、
 エネルギー代謝が良くなって、体脂肪の蓄積を解消します。

 

²メリット⑧:アンチエイジング・美肌
⇒水分は皮膚の健康に欠かせません。
 水分を補い、体内水がよく循環するようになれ  

ば、血液もリンパ液もしっかりと流れ、全身の細  

胞が活性化します。

 

²メリット⑨:頭痛や動悸の改善
⇒頭痛や動悸は、脱水症状で生じる場合もあります。水分摂取によって自律神経のバランスが整い、水分が媒介している神経伝達物質の行き来が正常になることで、症状が改善するケースもあります。

 

²メリット⑩:免疫力アップ
⇒ウイルスや細菌などの外敵が、
 体内へ入ってきた時に活躍する白血球の活動に、自律神経は大いに関わっています。
 体内水はその自律神経と密接に関係するので、体内水のバランスを整えることが免疫力

アップにつながります。

 

 

「水分摂取不足による体の不調と期待できる効果」

 

u  肥満
⇒代謝アップの作用があるカルシウムを含む水分(ミネラルウォーターなど)を、
 1日2リットルほど小まめに飲み、脂肪を燃焼させます。

 

u  むくみ
⇒新鮮な水を体に入れ、老廃物の多い水を排出するという代謝を促すことが、
 むくみの解消につながります。

 

u  糖尿病
⇒体内水が排出されやすいので、
 1日2リットルを目安にした水分を小まめに摂取します。
 スポーツドリンクは糖分を含むためNGです。

 

u  高脂血症
⇒血液をサラサラにするため、
 代謝を高めるアルカリ性の水分補給と有酸素運動が有効です。

 

u  イライラ・ストレス
⇒体内水が不足したり滞ると、自律神経の働きが鈍り、
 不安定な精神状態になります。
 それを解消するためにカルシウムが含まれた水分を摂取します。

 

u  関節痛
⇒関節はリンパ管や静脈が折れ曲がるため、体内水の流れが悪くなります。
この場合、水分摂取と関節周辺のマッサージが効果的です。

 

u  筋力低下
⇒実のところ、水分量は脂肪よりも筋肉の方が多いのです。
 筋力を保つには、適度な運動と十分な水分摂取が大切です。


 


その他に、高血圧、便秘・下痢、疲労感・だるさ、物忘れ・ボケ、肌荒れ、
骨粗しょう症、耳鳴り・めまいなども、水分摂取で改善される可能性があります。

 

 

「目標:体重×30ml」 

 1日に目標とする摂取量は体重×30mlと言われています。

食事から摂る分は含みません。体重が50㎏の方であれば 例)50㎏×30ml1500ml

毎日、1500mlを飲む必要があると言うことです。

 

「水を飲むのもリハビリと考える」

 

 急に1500ml程度の水分摂取をしなさいと言われてもほとんどの方は「そんなに飲めない」というでしょう。水を飲むメリットやデメリットを先に記述しました。飲む必要性を自身でも理解することは水をたくさん飲むうえで必要な作業と言えます。

 人の行動は必要性を感じて飲まなきゃいけないという意思が生まれます。これが持続され習慣となります。習慣になると水を飲む生活が定着しているので自然と生活が変わります。まずは、水を飲むことで得られるメリットを理解しておくことは非常に大事です。ご家族とも共有して一緒に声を掛け合いながら楽しく飲むといいですよね。あと、自身の愛用のコップがどれくらいの容量が入るかを事前に把握しておくといいでしょう。

 飲むタイミングは、作業や行為の前後と覚えておいて下さい。朝起きて一杯(100ml)、食後に一杯(100ml)、運動の前に一杯(100ml)、運動後に一杯といった感じでこまめに飲むことをお勧めします。食事時に水分を摂ると、消化器官(胃や腸)の消化機能が低下してしまうので食事中は避けてみそ汁などで補いましょう。

 

訪問リハビリEsupaleでの生活リハビリ指導で水分摂取の必要性も伝えます」

 

 認知症専門の訪問Esupaleのリハビリでは、ご本人とご家族に水分摂取の必要性についても指導させて頂きます。水を飲むことで認知症が改善・軽減するその根拠をお話しします。水分摂取のメリットはもちろん、複数の薬を服薬されている方の腎機能、肝機能が低下しているなどの症状がある方には、薬剤や病気の特性も考慮して水を飲む大切さをお伝えします。お薬を例に挙げますと、服薬した薬を解毒する際に腎臓や肝臓は大きな負担を強いられます。その時、体内の水分が足りていないと解毒やろ過をする時により強い労力を使って解毒するようになります。この状態が続くと腎臓や肝臓は疲弊し身体も疲れやすくなったり、倦怠感が生まれたりと日常生活で知らず知らずに悪い影響が出ているケースも少なくありません。一人一人の状態にあった水分摂取の必要性についても当訪問リハビリでは丁寧にお伝えします。