食物の消化や栄養素の吸収を行う器官である腸には、消化吸収できなかった成分や常在細菌、病原菌など、多くの物質が通過したり留まったりしています。そして、腸内細菌が体内へ入ってくるのを防ぐために、「腸壁バリア」というバリアシステムが存在しています。
腸壁バリアは、腸の表面が「上皮細胞」で覆われ、上皮細胞の隙間は、タンパク質からできている「タイトジャンクション」で封印されています。さらに、上皮細胞からは糖タンパク質や抗菌物質が出ていて、病原菌を寄せ付けないようにしているのです。
ところが、何かしらの原因で上皮細胞の隙間を封印しているタイトジャンクションが緩んでしまうと、腸壁バリアが破たんして隙間ができてしまいます。その隙間から、本来透過することがない老廃物や微生物成分などが体内に入ってしまう状態が、リーキーガット(症候群)です